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全体主義の起源(ハンナ・アーレント)は勇気をもらう本

公開日: : 最終更新日:2015/10/15 書評

自由とは何か?この問いの答えこそが人間の叡智かもしれない。

哲学者がずっと考え続けてきた”自由”とは一体何か?
もちろん正しい答えはない、しかしアレントははっきりと「全体主義の起源」において自由とは何かを明確にしてくれている。

 

それは、多くの人にはピンと来ない答えかも知れないが、このアレントの見解は誰にでも実践できる最低限の自由を保障してくれている。

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アレントが定義する自由とは

 

それは、

何かをいつでも人間は新しく始めることができる

である。

 

「すべての自由はこの〈始めることができる〉Anfangenkönnenにある。始まりについては必然的論証もまったく力を持たない。なぜなら始まりはいかなる論理的連鎖から導き出されるものでもないからだ。」全体主義の起源.3 P292より

新しく何かを始める??そんなの当たり前じゃんと思ったもしれないが、それは当たり前の帰結ではない。

 

アレントは、その理由を何かを始めることに論理的な理由がないと説明している。

 

突然何かを始めることに理由も因果関係もない、だから自由だとアレントは言っている。

 

たとえば、あなたが突然ジムに行きたいと思い、実際にジムに入会したとする。

 

もしかするとそれは偶然CMをみたからかもしれないし、突発的に行きたくなったからかもしれない。

 

しかし、大事なことはジムに通わなければいけない必然性はまったくなく、ジムに行くか行かないかは個人が自由に選択した結果であるという点だ。

 

やってもいいし、やらなくてもいいことを始めるのに理由はない。

 

僕たちはやろうと思えば何でもやることができる。

 

いつもの通勤路を変えることもできるし、昼に行ったことのない店にいくこともできるし、起きたらまず朝日を浴びようと外にでることもできる、

 

すべてのやったことが無いことを新しく始めることができる。

 

これがアレントの考える自由だ。

 

当たり前の生活の中にある自由

何を当たり前のことを言っているんだと思うかもしれないが、この自由は実感できないからこそ忘れられがちなものである。

 

毎日決まった時間におき、決まった朝食をたべ(なんパターンかはあるだろうが)、同じ道を通って、大体同じ時間の電車にのり、だいたい同じような仕事をして、大体同じ時間に会社からでて、同じ道を通って帰宅し、幾つかのパターンで寝るまでの時間を過ごし、同じような時間に寝る。

 

この生活のリズムの中で、昨日までの過去において全くやったことのないことを新しく始めたことがあるだろうか?

 

それは小さなことでもいい。

指を鳴らすとか、鏡に向かって自分にニッコリ笑いかけるとか、いままで一度もやったことのない”何か新しいこと”を始める、その瞬間人間は自由である。

 

全体主義はアレントの言葉を借りれば

大衆が見出し自分たちにふさわしいと考えた唯一の組織形態である

 

全体主義はまったく合法的に望んで選ばれた点に恐ろしさがある。

ヒトラーのような人物がもし日本に現れたら、彼のような人間を国家の代表に国民が選ぶ危険は当然存在する。

 

「全体主義の起源」を通じて
なぜ、全体主義が起こってしまったのか、その理由を知ることも重要だ。

 

さらに重要なのは、全体主義に陥らないために、私達は常に新しいことを始めることができるという自由を手放してはいけないというアレントの教えである。

 

 

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